
石田まりえ
東京生まれ、東京育ち。ラジオの懸賞で航空券が当たったことでニュージーランドへ渡航。 ニュージーランド在住14年目。2児の母をしながら、のんびり暮らすヨガインストラクター。
ヨガは朝した方が良いとよく聞きますが、実は夜やると良いヨガもあるのです。
寝る前にやるヨガのポーズは、深い眠りへと誘う効果があり、しっかりと疲れを取り翌朝の目覚めも良いと言われています。
「夜ヨガってどんなポーズがあるの?」「普通のヨガとはどう違うの?」と思ってる方のために、インストラクターの私が、夜ヨガについてご紹介したいと思います。


自分でできる睡眠導入レメディー
夜ヨガはこんな人におすすめです。


ストレスによる過度の疲労、不安、気持ちが塞いだりしていると、私たちは上手に力を抜くこと=リラックスすることが難しくなります。
自律神経と呼ばれる、交感神経系と副交感神経のバランスが上手く保てず、夜深い眠りにつくことができなくなるからです。
交感神経とは、昼間に優位に働いて心拍数を上げて体を活発に働かせようとする神経です。
副交感神経とは、交感神経とは逆に心拍数を下げ、体の緊張を解きリラックスさせる神経です。
体内リズムが整っている場合は、夕方ごろに副交感神経が優位なるように切り替わります。
副交感神経が優位に働くと、リラックスした状態になり質の良い眠りへと導いてくれます。
しかし、最近はストレスだけでなく、スマホやタブレットのブルーライトによる刺激によってこの体内リズムは崩れやすくなってきています。
交感神経は、興奮したりするとすぐに活性化し優位に働き出しますが、副交感神経はすぐには働き出さないのが特徴です。
副交感神経神経はゆっくりと、およそ3時間くらいかけ徐々に働きだします。だから夕方ごろから切り替わり、夜の9、10時ごろが理想の就寝時間となるのです。
夜ヨガは、この眠りにつく3時間前までに行うと効果が発揮されます。
夜ヨガは、普通のヨガよりもポーズは少なめで、20〜30分でできます。
「最近、よく寝れてないな」と思った時に、簡単に家でできてしまう“睡眠導入レメディー”になるのも嬉しいですよね。




夜ヨガ簡単ポーズ3選
家でも手軽にできるポーズをご紹介したいと思います。


スプタヴィラーサナ・仰向け英雄のポーズ
ボルスターの代わりに座布団を半分に折り畳んだり、クッションを使っても◎(体が柔らかい人はクッション無しでも)
①正座をした状態で、両膝は少し広げて座る。
②お尻はボルスターの上ではなく床の上に座り、ボルスターの端の部分と背骨の下の部分をくっつけるようにして仰向けになる。
③両腕は上に伸ばし、肩の力を抜く
このポーズは消化を助け、お腹にたまったガズを抜く効果があります。
寝る前に行うことで、消化不良やお腹にたまったガスによる膨張感を改善し不快感をとり除きます。
夜、食べ過ぎてしまったり、脂っこい食べ物で消化に時間がかかってる場合には、このポーズをすることで不快感を解消し眠りにつきやすくなります。
パッシモッタナーサナ・前屈のポーズ
ボルスターやクッションがなくてもできます。
クッションを脛の上に置いて頭をサポートしても可。
①ヨガマットに足を伸ばした状態で座る。
②両足は揃え、つま先は立てる。
③息を吸いながら背骨をまっすぐ伸ばすように胸を持ち上げ、息を吐きながら前屈。
両足の外側を掴むか、難しいようであれば脛を掴む。
④ボルスターやクッションを使ってる場合は、この状態で呼吸しながら5分ホールド。
⑤ボルスターやクッションが無い場合は、この状態でゆっくり深く5回呼吸。
このポーズはお腹を温め、副交感神経を落ち着かせる働きがあるので、心が落ち着き頭の中をリラックスさせます。また、便秘、お腹のガス抜きにも効果があります。
下痢をしている時、または胃酸過多による胃痛がある場合はこのポーズは控えましょう。


ショルダースタンド・肩立ちのポーズ
仰向けの状態からつま先を頭の先に持って行く。
肘が外に出ないように、一度背中の後ろで手を組む。その後に背中を両手で支える。
両足を床から45度まで持ち上げる。(初心者の場合)
慣れてきたら足を床から垂直になるようにまっすぐ持ち上げる。つま先は伸ばす。
この状態で25回ゆっくり呼吸する。
このポーズが難しい場合は、壁に沿って両足をあげ、横から見たら丁度L字になるポーズでも同じ効果があります。
このポーズは血流が逆になる為むくみの解消、また、交感神経をなだめ副交感神経を優位に働かせる効果があります。
このポーズをやるときは、必ず硬い平らな場所でやること。ベッドの上だと首を痛める恐れがあるので行わないこと。
また、女性は生理中は逆さまになるポーズは行わないこと。


呼吸を整える
夜ヨガのポーズと一緒に呼吸を整える時間を設けると、深い眠りに着く効果がさらにアップします。
不安や、緊張などでなかなか眠りにつけないときは、深呼吸をすると心拍数も下がり、心が落ち着きます。


夜ヨガ呼吸法
これはベッドの上でも行えます。
足を組んで座り、両手は膝の上に置きます。
お尻の下にクッション等を置いて、心地良く座れるポジジョンを見つけます。
肩の力は抜いて、目は軽く閉じます。
鼻で呼吸をします。深く吸って長く吐きます。
吸う息と吐く息が同じ長さになるように、意識を呼吸に集中させます。
呼吸の長さを揃えるのが難しい場合は、頭の中で1、2、3、4、5…とカウントしても大丈夫です。
吸って吐いてで一呼吸とし、この呼吸を10回行う。
呼吸の音、長さに集中していくと自然と瞑想状態になります。
呼吸に集中できず、頭の中で考え事や悩みごと、明日やらないといけないことなどが浮かんできたら、その“こと”を認識し受け入れます。そして解放(流す)のです。
その”こと”にしがみ付いて、頭の中で会話したり、ごちゃごちゃと忙しくさせるのでなく、受け入れて解放してあげるのです。
その、頭に浮かび上がった“こと”が雪だるま式に大きくなってしまう前に、受け入れて解放することがポイントです。
受け入れることで自分が今、何を不安に思っているのか、何が障害となっているのか等客観的に自分観察をすることができるのです。
「ヨガをすると自分と向き合える」と言われるのはこのことで、瞑想をすることで自分を理解できるようになるのです。


眠りに着く準備をする
夜ヨガをするときは、動きやすい格好で行いましょう。家でやる場合はパジャマでも大丈夫です。
体が冷えないように、何かを羽織ったり靴下を履いて足が冷えないようにして下さい。
また、お風呂上がりに体が温まった状態で行うのも良いでしょう。
体もほぐれやすく、ストレッチもしやすいです。
家で夜ヨガをする場合は、部屋を間接照明などにして体を眠りへ着く準備をさせるといいでしょう。
アロマオイルなども効果的です。
眠る準備をすることで、脳に「これから眠るんだ」とサインを送り体もそれに反応し、眠りを誘うのです。


まとめ
体内時計を整えることが、質の良い眠りにつける一番の近道です。
寝る直前までスマホ見ているとブルーライトからの刺激の他にも、スマホの中からあらゆる情報を得てしまい、脳が刺激されてしまうこともあります。
より良い眠りにつくために、もう一度自分の寝る前の習慣を見直してみるといいかもしれません。
意外とその習慣は必要でないことに気づくでしょう。
良い睡眠を摂り、翌日気持ちよく目覚めたら、気分良く一日をスタートできますよね。




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