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こんにちは、ヨガインストラクターのMIZUHOです。
タントラヨガ、を聞いたことがある方は多いと思いますが、本当の意味でどういうヨガなのかを知っている方は実は少ないのではないでしょうか?
インターネットでタントラヨガ、タントリックヨガ、とサーチすると、必ず出てくるのはタントラヨガ=セクシャルなヨガ、というもの!
ヨガ哲学や歴史に詳しい私の師匠と学んできた私からすると、これちょっと違う!ということで本当のタントラヨガとは、を知っていただこうと思います。
実は多くのヨギーがタントラヨガを既に練習している!
タントラヨガと聞くと何やら特別なヨガ、性的なことが含まれるヨガ、タントラヨガに興味あるというと恥ずかしい、などと思っていませんか?
タントラヨガとは、簡単にいうと私たちのカラダを敬い崇めるヨガ、なのです。
イコール、アーサナをメインに練習するハタヨガ、これは全て“タントラヨガ”と言えるのです。
簡単にヨガの歴史から見てみましょう。
古代ヨガは瞑想のみ
もともとヨガが発祥した際、ヨガ=瞑想でした。
そして古代ヨギーは全て男性。
面白いですね、現代ではヨガは女性のものと思われがちですが。
ヨギーや聖者たちはいわゆる僧であり、男性だけだったのです。
ヨガの練習、と言えば瞑想。
ヨギーたちは自分たちの魂を磨くために日々何時間も瞑想をしていたと言われています。
そして魂というのが聖なるものであり、肉体は不浄なものである、とされていました。
ヨギーたちの練習にはその不浄な肉体を清めるための“クリヤ”という物も含まれていて、とにかく体をきれいにすることに拘っていました。
中には今見ると恐ろしくなるような、体を痛めつける練習も行われていました。
アーサナは瞑想をするために生まれてきた
日々何時間も瞑想するヨギーたちですが、もちろん皆がそれを簡単にできたわけではありません。
長時間座り続けることが楽にできるように、では事前に少し体を動かしてはどうか、とこうして生まれてきたのがアーサナなのです。
実はこれが、タントラヨガの始まりです。
カラダは不浄、からカラダは神聖なテンプルへ
タントラヨガが生まれた時代のことをヨガの歴史ではタントリックエラとよびます。
この時代、ヨギーたちは魂を浄化するためには体は不要なものである、という考えから、アーサナをすることによって瞑想がより心地よくできることになったことを踏まえて実は体というものは魂を浄化するのに必要なものなのでは、という考えに変わってきます。
カラダは不浄なものである、不要なものである、というのではなく、逆に私たちの魂を守ってくれる、魂が宿る神聖なお寺のようなものである、という考えが生まれます。
体を鍛える、整える、健康な肉体を保つことにより、魂が清らかでピュアなものになる、という発想に変わり、ヨガの練習にはアーサナが増えていきます。
こうして生まれたのが本来のタントラヨガです。
タントラヨガはセクシャルなヨガ?
タントラヨガというと、パートナーヨガです、と言っているサイトもあれば、性的なエネルギーを活性化させるヨガです、と言っているサイトも多いです。
これはなぜか?
おそらくカラダと崇めるヨガということからきているのではないでしょうか?
確かに、タントラヨガには体のエネルギーを呼び起こす、クンダリーニやシャクティエネルギーを刺激する動きというものがあります。
クンダリーニエネルギーとは脊椎を中心にして骨盤底から頭頂部に向かってコイルのようにグルグル上がっていくエネルギーのことで、これはいわゆるハタヨガではほとんどヨガで活性化されると言えるでしょう。
この体を崇める、エネルギーを呼び起こす、ということから、タントラヨガを性的なエネルギーを高めるヨガスタイルとして教え始める人たちが出てきます。
これが悪いとか間違っているということではありません。
これはヨガスタイルの一つとして、男性エネルギーや女性エネルギーを高める、体やエネルギーの交換をよりよく行うためのヨガ、世界ではこれがタントラヨガとして知られてきています。
ヨガと禁欲
タントラが性的エネルギーを活性化させるヨガとして教えているところでは、ヨガ=禁欲というのは間違いである、と伝えているところもあります。
これはブラマチャリヤ(禁欲)というスートラ8支則の一つと関係しています。
これが間違い、なのか間違いではない、のかは時代により受け取りかたが変わってくるのではないでしょうか。
先ほども書きましたが、古代のヨギーは男性で僧たちでした。
彼らはいわゆる世捨て人のようなもので、女性との交流は一切ありませんでした。
それが近代になり西洋にも伝わり、ヨガ哲学も時代に合わせて読み方が変わってきて当然です。
ブラマチャリヤ=禁欲(セックスをしない)
という解説もいまだに存在しますが、ヨガを練習するからには一切性欲をもってはいけないのでしょうか?!
そうではなく、近代では
ブラマチャリヤ=摂生
と訳される場合も多いです。
要は、性欲に限らず全ての欲、欲はあっても仕方ないが摂生すること、程々に、というところでしょうか。
今タントラヨガというと性的なエネルギーを主に伝えているところが多いのは、それがカラダに深く関係するものであり人間の主な欲の一つだからかと思います。
本来のタントラヨガとは?
タントラヨガを受けに行こう!と調べると上に書いたような性的エネルギーやスピリチュアルなことばかりを書いたサイトが実際は多いのですが、実はほぼほとんどの方、ハタヨガをやっている方はタントラヨガを練習している、ということになるのです。
そもそもタントラの考えは、いかに人間らしさと付き合いながらヨガをしていくか、人間らしさを残しながらもサマーディを達成できるのか、というものでした。
古代のヨギーたちのように社会から外れて山にこもり、スピリチュアルな勉強だけをしていればいいのかというとそうではなく、近代社会で私たちが日常生活を営みながら、バランスを取りながらも本来の自分を見つけていく、というのがタントラの教えです。
人間誰でも欲、エゴがあり、それを全て無くしてしまうのではなく上手に自分のエゴとも付き合いながら、自分を高め本来の高貴な自分を探究する、それがタントラヨガのもともとの教えです。
例えばヨギーだから一切肉は食べません、ジャンクフードは食べません、セックスも一切しません!ではなく、では自分の体が欲しているものを適量食べましょう、このチップスは体には良くないから1枚だけ食べましょう、セックスは決まった相手とだけにしましょう、こういうことです。
タントラヨガを体験する
ではハタヨガをやっているところであればどこでもタントラと思い込めばタントラヨガなのか?!
これは難しいところですね正直(笑)。
タントラヨガとしてセクシャルでスピリチュアルエネルギーをメインで教えているスクールを体験するもよしです。
ただ本来インド発祥の伝統なヨガスタイルであるということ、呼吸法や基本のポーズで体をケアすることに拘っているヨガであるということを忘れずに。
自分でタントラヨガをやってみる!
タントラヨガで推奨されているのが皆さんご存知の太陽礼拝です!
スーリャナマスカーラ、これは深い呼吸法、全身をくまなく使うこと、そして集中力、エネルギーが非常に交差するヨガであると言えます。
体の不調に気づきやすい流れでもあります。
毎日やろう!と最初から気を入れすぎるとおそらく挫折しますので(笑)、これも程々に、週に1回か2回からぜひ始めてみてください。